皆さんこれまでにリフォーム業者さんとの打ち合わせの際に、「見切り材」と言う言葉を耳にされたことのある方は多いと思います。
でも実際にどんなところにどんな風にどんなものを使うのかはあまりイメージまでは湧きませんよね。
でも実はこの「見切り材」。
どんな小さなリフォームのでもほぼほぼ間違いなく使われているんです。
今回はその「見切り材」に焦点を当ててまとめてみました。
これからリフォームを考えている方はぜひ一度参考にしてみてください。
見切り材って何?
一般的に「見切り材」というのはかなり広義な意味にあたります。
別の記事でもご紹介しました「巾木」なども見切り材の一つになります。
幅広く捉えると、「材料Aと材料Bの間に入る材料、あるいはコーナーの隙間隠しに使われる材料のこと」を、一般的に見切り材と呼んだりします。
明確に定義されているわけではないのですが、この言い方が一番わかりやすいでしょう。
例を出すと、みなさんが最も目にされる機会が多いと思うのが、キッチン周りのパネルの端っこにあたるところにあるものですね。最近の主流で、キッチンの周りにはキッチンパネル(不燃のパネル)が貼ってあることが多いと思います。
汚れが落としやすいようにちょっと硬くて表面がツルツルした材質のパネルですね。
そこのパネルの1番端っこの方の壁紙との取り合いのところに入っている棒状のものですね。
これがどんな意味をなしているかというと、一般的に下地の壁は平らに仕上げてあるので、壁紙とそのパネルの厚みが違うと、そこに段差が出てきてしまいます。
その段差を綺麗に納めようね、といった意味合いで使われているのです。
実際には、パネルは硬い材質でできているので、切り口は鋭利になっています。そのままにしておくとふとした表紙に手や腕を怪我する要因にもなってしまいますので、それを防ぐ目的でもあるのです。
この見切り材がないとなんとなく締まりのない印象になってしまったりと、見た目の面でも安全の面でも非常に重要な役割を果たしているんです。
実際には厚みの同じ材料同士を並べる場合でも、デザイン性の違うものを並べるときには、このような見切り材を使うことですっきりとした印象を与えることもできます。
地味な存在ですが、とても重要な役割を担っているのです。
どうして必要なの?
キッチンの例でも少しお話ししましたが、大きな役割としては主に3つになります。
・仕上げ材の厚みが変わるところをすっきりと納めるため
・隙間を目立たなくするため
・仕上げ材を施工しやすくするため
お部屋の壁が手を切ってしまいそうな切りっぱなしの材料で埋め尽くされていたら嫌ですよね?
お部屋の隅っこの方に隙間ができていてなんとなくそこが黒く見えてしまうのも嫌ですよね?
そういったところを解消するために使われる場合が多いですね。
あとはデザイン性の高いお家などでは、デザインの違う2種類の材料を壁や床一面に使っている場合もあります。
デザインの違う材料をぶつける時に、そのままその材料同士をぶつけてしまうとどうしてもちぐはぐな印象になってしまいがちです。
そういったところに見切り材を入れてあげることで、すっきりとした印象に仕上げることが可能になるんですね。
そういった意味では、リフォームや建築においては、綺麗に見せるためには必ず必要になるものと言えます。
・仕上げ材の厚みが変わるところをすっきりと納める
・隙間を目立たなくする
・仕上げ材を施工しやすくする
どんなところに使われてるの?
それだけ重要な役割を果たしている「見切り材」。実際キッチン以外にはどのようなところに使われているのでしょうか?
納め方には様々ありますので、一概にここには間違いなく入れる、というような定義は存在しませんが、一般的なものをいくつかご紹介します。
仕上げが変わる境目
入っている所として多いのが床です。
例えば廊下とトイレの床のちょうど境目の所には入っている場合が多いです。
床の仕上げ材を、廊下はフローリング・トイレはクッションフロアと分けて使用している住宅が多いので、床のデザインが変わる場合などは、見切り材を使用することでスッキリと見せているパターンが多いですね。
入隅や出隅
入隅というのは部屋や天井などのコーナーの内側に当たる部分です。掃除しづらく埃が最も溜まりやすい部分ですね。
出隅というのは入隅の反対でコーナーの外側に当たる部分です。よく小指をぶつける部分ですね。
こういったところは平面に比べて比較的納まりが難しい箇所になります。どうしても隙間ができてしまったり、よりスッキリ納めるために使用されることが多いですね。
入隅に使われているケースでよく目にするのが「廻り縁」と呼ばれる天井と壁との取り合い部分に使われている見切り材ですね。
見切り材はどんなものがあるの?
見切り材と一口に言ってもかなり様々な材料があります。
おそらく数百、数千種類に上るのではないでしょうか。それくらい豊富な種類・やり方があります。
もちろんメーカーさんがもともと既製品として作っているものもあれば、現地で木材を加工して作っているものもありますので、幅広い材料・種類・デザインのものがあります。
ここでそれらをいくつか紹介させてもらいます。
金属製見切り
床の見切り材として使われることが多いのが金属製の見切り材。
写真のようにアルミのものもあれば、ステンレス製のものもあります。金属は金属ですが、焼き付けによって色のついているものもあります。
比較的スタイリッシュに納めることが可能です。
木製見切り材
一昔前の建物だと、ほぼこのタイプです。
大工さんが現場で加工した材木を設置して塗装で仕上げているパターン。
木目を活かした塗装を行うことで、自然な見切り材として設置されているものも多くあります。
既製品シート貼り見切り材
各建材メーカーもそれぞれの自社製品の床材に合う柄の見切り材を揃えています。
沓摺や玄関框なども、表面に木目の模様のある薄いシートを貼って仕上げているタイプの材料が多く使われています。
最近の住宅ではこの材料が最も普及しているものになります。
まとめ
今回は「見切り材」についてまとめました。
一口に言ってもかなり様々なものがあることがわかっていただけたかと思います。
実際にどんなものを使ったら良いのか、どんなデザインのものが合うのかなど、なかなか難しいところもあると思います。
細かいところですが、こういったところまで配慮がされていると、空間も自然と締まってくるものです。
綺麗にリフォームを終えることができたら納得のいく空間になることでしょう。
わからないうちは、まずは懇意にしている業者さんに相談してみるのが一番ですね。
この素材が良い、ここはこういう設置の仕方が良いなど、色々と提案してくださることでしょう。
これからリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。