古くからある日本建築の和室。最近では、新築時でも和室のない家などが増えてきていますね。
リフォーム業界の中でも今ある和室を洋室にリフォームしたいと言う要望が実際にかなり多く寄せられています。
今回はその和室を洋室にする洋室化リフォームについてまとめています。
「和室が使いづらいなぁ・・・」
「いっそのこと洋室にしてしまいたい」
そんな方はぜひ参考にしてみてください。
和室とは元来どういうもの?
和室とは、伝統的な日本家屋特有の、畳を敷き詰めている部屋を言いますね。
日本の風土に合っているとして、昔から好んで作られてきました。畳に使われているイグサの調湿効果は高く、冬は暖かく、夏は涼しい、そのままゴロリと寝転がることもできる、として様々な特性があります。
そもそも、少し前の時代では、板の間(今でいうフローリングのような板を敷き詰めた床)よりも和室の方が多かったのです。
実は今でいうフローリングが主流になってきたのは1980年ごろのことなんです。木材の価格や、他の床材の価格、居間の考え方や、生活様式に併せて、徐々に変化してきたのです。
また今でも風水的な意味合いでも和室は強い意味合いを持っている場合があります。そのためほんの少し前まではどんなお家でも1部屋は和室を作るというのが多かったように思います。
しかし、今では1部屋が和室になってしまうと、どうしても使いづらいなどの意見がかなり多く、今の時代に合って来ていないものなのかもしれませんね。
和室を綺麗にするには
今回は和室を思い切って洋室にしてしまう洋室化リフォームをまとめていますが、ただ和室の畳が汚いあるいは襖が破れてしまったなどの場合は、畳の表替えや襖の張り替えを行うことできれいになり印象も変わることがあります。
ただ少し汚いからと言う理由の場合は、そちらで部分的な張り替えなどを行う方が安く済みますし、わざわざ和室を潰す必要がないので、そちらを検討した方が良いかもしれません。
和室をきれいにするには一般的に畳の表替え襖の張り替え。障子の張り替え。また木の部分の白木のクリーニングが主になってくるでしょう。
それを行うことでだいぶ印象が変わってくることでしょう。見えている柱に木の単板を貼ると言うリフォーム行っている場合があります。和室をきれいにするといった意味合いではかなり様々なやり方がありますので、部分的なリフォームを検討する際も、どこをきれいにしたいのか、どこが気になるのかを明確にした上で考えてみると良いでしょう。
和室を洋室にするメリットとは?
では、そもそも和室を洋室にするメリットとは何でしょうか?
こちらも考え方や感じ方は人それぞれですが、和室だとベッドが置けない、あるいは机やデスク、キャスター付きの椅子が使えないなどのデメリットがありますね。洋室にして床をフローリングにすることで、それらを解決することができるでしょう。
掃除の面でも、畳の上にコーヒーをこぼしたりするとシミになってしまう場合があるので、畳の場合よりも、掃除がしやすくなるといった点も大きなメリットですね。
また、最近の子供たちは和室=古いと言うイメージを持っている場合も多いため、和室の部屋が怖いなんて言う子供がいたりもしますね。また押し入れをクローゼットに変えることで収納がしやすくなったり、長いコートなどもハンガーにかけて保管できるようになる、そんなメリットもあります。
・ベッドや机などが置けるようになる。
・掃除がしやすくなる。
・収納がしやすくなる。
洋室にする際の工事箇所
実際に洋室にする際の工事の箇所、内容を説明していきます。
まずはどこまでリフォームを行いたいのかをいちど考えてみると良いでしょう。
現在の作りの確認
一口に和室といっても様々なパターンがあります。まずは壁の作りを見てみましょう。
等間隔に柱が見えている壁(真壁)やそうでない壁(大壁)があります。
これによってもリフォームの費用等は変わってきます。
真壁
柱が見えるようになっている壁の作り。
大壁
今では主流の、柱が見えないようになっている壁の作り。
また収納としての押し入れはどのようになっているのか、真ん中に棚板が付いているパターン(中段)掃き出し窓のほうに障子が付いているパターン。
かなり様々な作りがあるので、まずはそこを確認していきましょう。
次に工事内容ごとで、注意するポイントをまとめてみます。
床をフローリングにしたい
最も多い相談になりますね。畳→フローリングへの変更です。
工事順序としては、
①畳の撤去
②下地組み(畳の厚さ分床を上げる)
③フローリング貼り
上記のようになります。作りによっても変わる場合があるので、業者さんに確認してみましょう。
その際に注意するポイント
・畳寄せはそのままで良いのか?
・押し入れや収納はそのままで良いのか?
・入り口の扉はそのままで良いのか?
畳寄せ
壁と畳の間に生じるすき間をふさぐ部材。畳と同じ高さに取付けます。床の一番端っこの方についている木の部分です。
真壁を大壁にしたい場合
先ほど少し説明したように、柱が見えている真壁を、見えないように大壁にしてしまうパターンですね。
基本的には床をフローリングにする工事とセットで考えていきます。
①畳の撤去・長押の撤去
②床の下地組
③フローリング貼り
④胴縁設置(柱と柱の間に、下地となる木材の設置)
⑤ボードorベニヤ貼り
⑥壁仕上げ材施工(クロス貼りや巾木貼りなど)
この工事を行う場合は、基本的に壁を少しふかす(下地を入れて、柱よりも部屋の内側に壁を作る)必要があるので、少し規模の大きい工事になります。
また、今の壁よりも部屋の内側に壁を立てるので、全体に30〜70mmほど内側の寸法は狭くなります。
その際に注意するポイント
・部屋が少し狭くなるか大丈夫か?
・押し入れや入り口の部分はどうなるのか?(柱を隠すことができないことがあるため)
・天井はどうするのか?(廻り縁との取り合いなど)
押し入れをクローゼットにしたい場合
押し入れをクローゼットにしたい場合、今の押し入れを全て解体し、大きなクローゼットにする、そんな工事も可能です。
今ある押し入れの柱から敷居までを全て解体し、改めて下地を組んで折戸のクローゼットなどを作る場合ですね。この工事を行うと、先程の真壁から大壁にしたいと言う工事と組み合わせると露出する柱はほぼなくなりますね。
ここまでくると室内に入ってしまえば完全に洋室と言えるでしょう。
①畳の撤去・長押の撤去
②押し入れの解体・中段の解体
③床の下地組
④フローリング貼り
⑤胴縁設置(柱と柱の間に、下地となる木材の設置)・建具下地設置
⑥建具(クローゼット)枠設置
⑦ボードorベニヤ貼り
⑧壁仕上げ材施工(クロス貼りや巾木貼りなど)
その際に注意するポイント
・入り口の扉はどうするのか?
・クローゼットの中はどうするのか?(ハンガーパイプは必要なのか?枕棚はどうするのか?)
入り口の扉まで変える場合
入り口の扉を撤去して扉まで変えてしまいたい場合は、隣接している廊下や隣の部屋との境目のところまで工事が必要なため大掛かりな工事となります。隣の部屋との入り口の取り合いをどうするかによってやり方も変わってきます。業者さんとよく打ち合わせするべき点ですね。
基本的に和室で入り口扉の交換を行う場合は、床や壁の仕上げまでセットで行うべきというのが一般的です。長押や敷居部分・柱のところまで部分的に解体を行う必要があるからです。
①畳の撤去・長押の撤去
②押し入れの解体・中段の解体
③床の下地組
④フローリング貼り
⑤胴縁設置(柱と柱の間に、下地となる木材の設置)・建具下地設置
⑥建具(クローゼット)枠・入り口枠設置
⑦ボードorベニヤ貼り
⑧壁仕上げ材施工(クロス貼りや巾木貼りなど)
その際に注意するポイント
・隣室との取り合い部分はどうするのか?
・クローゼットの中はどうするのか?(ハンガーパイプは必要なのか?枕棚はどうするのか?)
・入り口の扉は開き扉にするのか、引き戸にするのか
・窓や障子部分はどうするのか
いかがでしょうか?
この他にも、様々な工事内容や注意すべきポイントは沢山あります。
工事の内容を見てもらうと分かる通り、内容によって大きく作業工程が増減します。
実際に検討する際には、業者さんとの細かい打ち合わせを行うことで、予算に合った工事を行っていけると良いでしょう。
その他の注意するポイント
・障子の収まりはどうするのか?
・窓の枠部分はどうするのか?
・敷目の天井などはどうするのか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一口に「洋室化リフォーム」といっても、工事範囲によって金額も内容も大幅に変わってきます。
どこまでの工事を行うのか、業者さんと細かい打ち合わせをすることで、自分の希望するリフォームを行えることでしょう。
和室を洋室にするリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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